
投稿日:2025.08.25
山崎35年はサントリーが発売した、高額なボトルのひとつです。
100万円という定価に驚いた方も多いはずですが、さらに驚くのは、定価よりもはるかに高い金額で取引されていることと、山崎35年以上の価格のボトルも存在していることです。
本稿では山崎35年を中心に定価や落札価格の推移、山崎50年や55年もあわせて紹介しています。
また、あまり知られていないもう一つの山崎35年や、ブレンデッドウイスキー響35年についても解説。
サントリーの高額なボトルについて、知識が深まることでしょう。
山崎35年の定価は50万円(税別)
サントリーのシングルモルトウイスキー、山崎シリーズの限定ボトル・35年は、2006年に定価(希望小売価格)50万円で販売されました。
当時のウイスキー人気は今ほどではなかったことや、前年に山崎35年よりも高額な50年が発売されたことから、それほど話題になリませんでしたが、限定200本のボトルは即日完売しています。
山崎35年とは
山崎35年は35年以上の熟成を経た、モルト原酒で構成されているウイスキーです。
原酒を製造したのは、1923年に開設されたサントリー山崎蒸留所。
発売年から計算すると1960年代や70年代に蒸留された原酒が使われており、活気に満ちていた日本をイメージさせるボトルとなっています。
山崎35年を特徴づけるミズナラ樽
山崎35年を主に構成するのは、ミズナラ樽で熟成した原酒です。
ミズナラ樽は第2次世界大戦後の物不足の時代に、シェリー樽の代替としてサントリーが世界で初めて実用化したものです。
伽羅や白檀を思わせる香味を放つミズナラ樽熟成の原酒は、今日ではサントリーのみならずジャパニーズウイスキーを特徴づける重要な要素となっています。
山崎35年は、日本における戦後のウイスキー造りを封じ込めたボトルともいえるでしょう。
山崎35年のパッケージはシンプル
山崎35年は、意外にシンプルなパッケージに収められています。
ボトルを収めるオーク材の木箱は重厚感がありますが、内張りがなされており下部にプレートがあるくらいで特別に華美な印象はありません。
ラベルはゴールドではありますが、熟成年数の長さを連想させる渋いものですし、付属品するのもシンプルな冊子くらいとなっています。
35年以上の定価で販売された山崎

シングルモルト山崎の歴史は1984年に始まり、多くの限定ボトルが存在していますが、山崎35年以上の定価で販売されたボトルは50年と55年しかありません。
次の表は山崎35年と50年、55年の定価などをまとめたものです。
| 酒齢 | 通称 | 定価(税別) | 発売年 | 限定本数 |
| 35年 | 50万円 | 2006年6月 | 200本 | |
| 50年 | ファーストリリース | 100万円 | 2005年5月 | 50本 |
| セカンドリリース | 100万円 | 2007年9月 | 50本 | |
| サードリリース | 100万円 | 2011年12月 | 150本 | |
| 55年 | 300万円 | 2020年6月 | 100本 |
山崎50年
熟成年数50年以上の原酒から構成された山崎で、2005年、2007年、2011年の3回、合計250本、それぞれ定価100万円で発売されています。
中でも貴重とされるのは2005年のファーストリリースで、最も若い原酒でも1955年に蒸留された計算になる、時代の重みを感じるボトルです。
ファーストリリースは、ほとんどがバー関係者が購入しており、飲まれずに残っているのはごくわずかとされています。
山崎55年
熟成年数55年以上の原酒から構成された山崎で、2020年に限定100本が販売されました。
定価は300万円という、これまでの高額な山崎と比べても破格なものでしたが、折からのジャパニーズウイスキーのブームもあり、当然のように即日完売しています。
使われているのは1964年蒸留のホワイトオーク樽熟成モルトや、1960年蒸留のミズナラ樽熟成モルトという、ファンならずとも興味をそそられるボトルです。
山崎35年のオークション落札額

2006年に定価50万円で発売された山崎35年は、ウイスキーファンを中心に即日完売とはいえ、比較的静かに購入された印象です。
ジャパニーズウイスキーの人気が今ほどでもなかったからですが、2014年くらいから高まり始めた人気は、その後の山崎35年のオークション落札額の高騰を招いています。
山崎35年の落札額の推移
| 落札年 | 落札額 | |
| 2015年10月 | 220万5,000円 | |
| 2016年7月 | 209万7,000円 | 最低額 |
| 2016年12月 | 229万9,999円 | |
| 2016年12月 | 231万5,000円 | |
| 2018年1月 | 400万円 | |
| 2018年2月 | 1,200万円 | 最高額 |
| 2018年5月 | 340万1,000円 | |
| 2018年9月 | 680万円 | |
| 2018年10月 | 650万円 | |
| 2020年4月 | 247万1,000円 | |
| 2022年9月 | 700万円 | |
| 2023年5月 | 720万5,000円 |
上の表は過去10年間のヤフーオークションにおける、山崎35年の落札額の推移です。
NHK連続テレビ小説「マッサン」が放送された2014年ごろから、日本のモルトウイスキーが入手困難となり、ブームが到来しています。
そのころ、ヤフーオークションに出品された山崎35年は220万5,000円、定価の4倍を大きく上回る価格で落札されており、159件という入札数から注目の高さが感じられます。
しかし、まだまだ序の口でしかありません。
2016年は200万円台で推移していたものの、2018年1月には400万円を付け、翌月には何と1,200万円という最高額を記録。
入札数は1件なので、即決1,200万円で出品されていた山崎35年がたまたま落札されただけで、相場を反映したものではないとも考えられますが、その金額で取引されていたのは事実です。
その後、落札価格は247万1,000円から680万円と大きな幅で上下し、2023年には720万5,000円で落札されています。
高額な山崎の落札価格
ここからは山崎35年を含む、高額で売り出された山崎の落札最高額を見ていきましょう。
山崎35年の最高落札額から見ると、とんでもなく感じる50万円という定価も決して高いものではなかったことがわかりますが、これは50年や55年も同じです。
山崎55年はこれまで最高額だった、50年の100万円の3倍に当たる300万円が定価でしたが、それですら8,500万円の前では弱気すぎたように感じられます。
| 酒齢 | 通称 | 最高落札額 | 落札年 | オークション名 |
| 35年 | 1,200万円 | 2018年2月 | ヤフオク | |
| 50年 | ファーストリリース | 4,980万円 | 2020年6月 | ヤフオク |
| セカンドリリース | 2,111万4,111円 | 2018年1月 | ヤフオク | |
| サードリリース | 1,100万円 | 2018年1月 | ヤフオク | |
| 55年 | 8,500万円 | 2020年8月 | 香港・ボナムズ |
日本産ウイスキーの最高落札額・山崎55年
山崎55年が、香港のオークションにおいて620万香港ドル、約8,500万円で落札されたのは2020年8月でした。
一本の国産ウイスキーに付いた金額では最高額と大きな話題になり、記録は2025年現在破られていません。
オークションが開催されたのは、山崎55年の発売からそれほど間を置かないタイミングです。
購入できなかった方が勢い余って入札して、8,500万円という金額になったのではないかと思われていましたが、その後のヤフオクでも8,300万円を超える金額で落札されています。
当時の市場価値としては妥当なものだったのかもしれません。
もう一つの山崎35年と響35年

山崎35年の定価やオークションでの落札価格を見てきましたが、ここからはもう一つの山崎35年と、同じ酒齢の響35年について見ていきましょう。
もう一つの山崎35年
山崎35年のヤフオクでの落札履歴を調べていると、もう一つの山崎35年の存在に気づきます。
響を思わせるカガミクリスタル製のボトル入りで違和感がありますが、ネックにかけられた木製の札には確かに山崎35年とあるので、間違いないでしょう。
木製の箱に収められており、札には「叙勲御祝い」の文字や2006年4月25日の日付、当時の副社長・鳥井信吾氏の名前がありますが、それ以上に興味深いのは裏面のラベルに「アルコール分60%」と書かれているところです。
度数の高さからカスクストレングスであり、市販されていた山崎35年とは全く違い、ウイスキーファンの興味をそそります。
もう一つの山崎35年の過去10年間での落札額は720万5,000円(2023年5月)と500万円(2023年6月)で、2006年に限定100本で発売されたボトルに負けないものとなっています。
響35年の定価は100万円(税別)
山崎35年はシングルモルトウイスキー、響35年はブレンデッドウイスキーですが、両者は熟成年数と定価が高いという点で共通しています。
響35年は2016年のボトルを除き、それぞれ定価100万円で販売されました。
響35年は、1961年から71年にかけて山崎蒸留所で造られたモルト原酒と、35年以上の熟成を経たグレーン原酒で構成されています。
加えて、著名な陶芸作家によるボトルに収められており限定数は各150本、2025年までに5種類が発売されています。
| ボトル名 | 発売年 | 限定数 | 定価(税別) | 落札価格 |
| 色絵薄墨草花文洋酒瓶 | 2002年 | 150本 | 100万円 | ~350万円 |
| 耀彩瓶・碧陽 | 2007年 | 150本 | 100万円 | ~700万円 |
| 濁手山つつじ文洋酒瓶 | 2012年 | 150本 | 100万円 | ~560万円 |
| 有田焼スペシャルボトル | 2016年 | 150本 | 70万円 | ~510万円 |
| 九谷焼スペシャルボトル | 2016年 | 150本 | 70万円 | ~560万円 |
人気の高い「耀彩瓶・碧陽」
これまで販売された響35年で、特に高い価格で落札されているのは2007年発売「耀彩瓶・碧陽」で、ピーク時には700万円でした。
ボトルをデザインしたのは九谷焼の人間国宝・3代徳田八十吉で、独特の美しいグラデーションは、ひと目で彼の作品とわかるものです。
響35年の落札価格が山崎35年に及ばない理由
いずれもかなりの価格で落札されていますが、オークションでの落札価格は山崎35年には及ばないものです。
響35年の定価は山崎35年の倍だったことを考えると、物足りなさを感じます。
理由として考えられるのは、中身よりもボトルに力が入っているように見られがちなところと、モルトウイスキーの人気の高さです。
35年以上熟成した原酒を使用している点で、貴重さでは山崎35年と同等に思われますが、響35年の売り出し方は、人間国宝が関わっていることを強調するなどボトルが主でした。
しかも、響35年は限定とはいえ、合計で750本も製造されています。
肝心の中身がそれほどでもないと感じられてしまったのが、響35年の落札価格が山崎35年ほど伸びない理由かもしれません。
あわせて、現在のウイスキーブームをけん引しているのはモルトウイスキーなのも理由です。
高額なブレンデッドウイスキーの人気がモルトに及ばないことは、高額で落札されたボトルのほとんどがモルトウイスキーであることからもわかります。
響40年の定価は400万円(税別)
熟成期間で響35年を上回る、40年が登場したのは2025年5月のことでした。
定価も響35年を大きく上回る400万円、購入希望者をインターネットの特設ページで募集し、当選者に順次発送されました。
山崎55年の定価が300万円だったことや、モルトウイスキーではないことを考えると、400万円という定価は高すぎるように感じましたが、当然のように完売していたので、響人気は健在といえるでしょう。
2025年8月現在、響40年がオークションに出品された様子はありませんが、どれくらいの価格で落札されるか楽しみです。
まとめ
山崎35年の定価やオークション落札価格を見てきましたが、注意点は落札価格と買取価格は異なる点です。
山崎35年に限らず、本稿で取り上げた落札価格のほとんどは、過去10年の最高額であり、ピーク時のものです。
実際の買取価格は、査定時の相場や需要、在庫状況を総合的に判断したものになります。
山崎35年など高価なウイスキーのボトルをお持ちで、手放そうと考えている方は、弊社サケウルでの無料査定をおすすめします。
ピーク時の落札価格はさすがに難しいですが、お酒買取専門店ならではの精一杯の金額にご期待ください。



