
投稿日:2025.07.14
サントリー山崎50年の定価やそれを大きく上回る取引金額には、ただ驚かされるばかりです。
本稿では多くの方にとって不思議としか思えないであろう、山崎50年の定価や取引金額を紹介し、その理由を解説しています。
あわせて、山崎50年と同等かそれ以上の金額で取引されているウイスキーのベスト10も紹介。驚きとともにウイスキーの奥深さも感じられる内容です。
サントリー山崎50年の定価は100万円(税別)

サントリー山崎の定価(希望小売価格)は100万円(税別)で、サントリー史上最高額のウイスキーとして大きな話題になりました。
2020年には山崎55年が定価300万円、2025年には響40年が定価400万円で発売され、サントリーの最高額は更新されていますが、現在でも貴重なボトルであることに変わりはありません。
山崎50年は3種類ある
山崎50年は2005年と2007年、2011年の3回、合計で250本の販売で、いずれの定価も100万円でした。
百貨店などで先着順で販売されており、2005年と2011年は翌日、2007年は当日に完売しています。
3回の中で最も貴重とされているのは、2005年販売分のファーストリリースです。
ほとんどがバー関係者に購入されたことから、未開栓のボトルは残っていないとか。
そのことは、公判で紹介するオークションでの落札価格にも表れています。
| 発売年 | 名称 | 発売数 | 外観の特徴 |
| 2005年 | ファーストリリース | 50本 | ナチュラルな木箱、ボトル口のひもは白 |
| 2007年 | セカンドリリース | 50本 | 木箱下部に「BOTTLED IN 2007」の焼印 |
| 2011年 | サードリリース | 150本 | 黒塗装の木箱、ボトル口のひもが赤 |
ファーストリリースの外観の特徴
2005年に販売されたファーストリリースの外観の特徴は、木目を生かした木箱に収められていることと、ボトルの口に和紙があしらわれ、白いひもで結ばれていることです。
ネックに掛けられる、ひもつきの飾メダルやしおり、説明書が付属するのは、ほかのボトルと共通しています。
セカンドリリースの外観の特徴
ファーストリリースとの違いは、木箱の蓋の部分に発売年である「BOTTLED IN 2007」の焼印が押されていることで、それ以外はファーストリリースと変わりません。
サードリリースの外観の特徴
2011年に販売されたサードリリースは、黒く塗装された木箱や赤になったボトルの口のひもが、ファーストやセカンドと異なります。
違いが大きいので、一目で見分けられるでしょう。
サントリー山崎50年が高額な理由

サントリー山崎50年が定価を大きく上回る金額で取引されているのは、250本しか存在しない希少性ですが、少量しか製造しなかったのではなく、製造できなかったところがポイントです。
ここからは、少量しか製造できなかった理由を見ていきましょう。
超長期熟成の原酒が使われているから
山崎50年を構成しているのは、50年以上の熟成期間を経た希少なモルト原酒です。
熟成期間の長さが異例であることは、レギュラーラインナップされている山崎では25年が最長であることからもわかります。
ここで知っておきたいのは、どんな原酒でも長期熟成すれば、香味がよくなるわけではないことです。
50年以上の熟成に耐えられるものはごく一部であり、ほかの多くは長期熟成される前にヴァッティングやブレンディングに使われてしまいます。
ミズナラ樽熟成の原酒が使われているから
山崎50年を構成する原酒の熟成に用いられたミズナラ樽は、サントリーが試行錯誤のすえ、世界で最初に実用化しています。
サントリーは戦後まもなくミズナラ樽を熟成に使用し始めましたが、2005年に発売された山崎50年に使用されている原酒は、若いものでも1955年に蒸留されました。
ミズナラ樽による熟成の結果が、まだ予想できないうちに仕込まれ、奇跡的に上質な香味をまとったものだけが使用されているのです。
しかも、加工の難しさや原酒のよさを打ち消す香りの強さから、ミズナラは決して樽材向きの樹種ではありません。
このことは、サントリーが保有する120万樽もあるという原酒のうち、ミズナラ樽は数1,000しかないことからもわかります。
世界的に貴重なミズナラ樽長期熟成原酒が、山崎50年に使われているのです。
日本産ウイスキーの歴史が詰まったボトルだから
ミズナラ樽に加えポットスチルのエピソードも、山崎50年をジャパニーズウイスキーの歴史とするのにふさわしいものです。
山崎50年を構成する原酒は、日本初のポットスチルにより蒸留されました。
このポットスチルは、日本のウイスキーの父こと竹鶴政孝氏により設計されたもので、大阪の金属加工業者で製造されました。
そして、国産初の本格ウイスキー・白札などを製造したのですが、1972年まで稼働していたので、山崎50年を構成する原酒の蒸留のころも現役だったことになります。
このポットスチルは現在、山崎蒸留所の象徴として展示されています。
パッケージも凝っているから
山崎50年のパッケージは、サントリー入魂の作を納めるのにふさわしいものです。
通常の山崎のものを模したボトルはカガミクリスタル製、これまでもサントリー高級ウイスキーのボトルを手掛けてきた、日本最古のクリスタルガラス専門工場です。
ラベル代わりに用いられたのは、サンドブラスト加工による山崎50年の彫刻で、地元山崎のアキツ産業が手掛けました。
あわせて、ケースには高級感と重量感のあるオーク材が用いられています。
そもそも100万円は高額ではない?
山崎50年が定価100万円で販売されるというニュースは、驚きとともに報じられました。
しかし、ウイスキーファンは、それほど高額とは感じていなかったようで、実際に売り出されると、3種類のボトルは当日や翌日に売り切れてしまいました。
しかも、ヤフーオークションには、高額な定価よりはるかに高額で取引された履歴がいくつも残されているのです。
これらのことから、サントリーも考えるところはあったのでしょう。
2020年に発売された山崎55年は定価300万円、2025年の響40年は定価400万円という、山崎50年よりも高額で売り出されています。
山崎50年のオークション落札価格

それでは、ヤフーオークションにおける過去10年間で、山崎50年がいくらで取引されてきたかを見ていきましょう。
中には、1件など極端に入札数が少ないものもありますが、100万円という定価が妥当だったかの判断材料になるでしょう。
ちなみに、サントリー山崎55年が8,500万円で落札され、1本のジャパニーズウイスキーでの最高額を記録したのは2020年の8月です。
2005年・ファーストリリース
2012年には95万1,000円や90万円という、定価以下で取引されていたようですが、その後、山崎50年ファーストリリースの落札価格はどんどん上昇します。
ヤフーオークションで2016年には600万円弱で落札されると、2016年には1,300万円台になり、2020年には4,000万円から5,000万円で取引されました。
| 落札年月 | 落札額 |
| 2016年3月 | 585万1,000円 |
| 2016年7月 | 1,352万3,222円 |
| 2020年6月 | 4,980万円 |
| 2020年7月 | 3,980万円 |
2007年・セカンドリリース
即日完売したセカンドリリースは2018年に2,100万円以上という、100万円という高額な定価の21倍の値を付けています。
金額には驚かされるばかりですが、ファーストリリースの落札額が4,000万円から5,000万円なのを見ると、2,100万円が妥当な金額に感じるから不思議です。
| 落札年月 | 落札額 |
| 2016年3月 | 200万3,000円 |
| 2016年4月 | 218万1,000円 |
| 2016年4月 | 160万円 |
| 2018年1月 | 2,111万4,111円 |
2011年・サードリリース
2017年から2018年の取引で、250万円から1,100万円まで落札価格が乱高下しています。
サードリリースは、50本ずつ製造されたほかの2本とくらべて、3倍の150本が製造されており、落札価格は下回るはずですが、1,100万円という落札履歴もあります。
| 落札年月 | 落札額 |
| 2016年6月 | 300万7,000円 |
| 2017年9月 | 950万円 |
| 2018年1月 | 1,100万円 |
| 2018年9月 | 800万円 |
| 2018年9月 | 250万4,000円 |
高額で落札されたウイスキー・ベスト10
山崎50年の驚きの落札金額や推移を紹介してきましたが、同等もしくはそれ以上で取引されているウイスキーはいくつもあります。
ここからは、2015年からのヤフーオークションで、高額で落札されたウイスキー・ベスト10を紹介していきましょう。
1位:ニッカTAKETSURU’S CHOICE GRAND COMPA 9,990万円
落札日:2020年4月
定価だけでなく、製造年数や本数もわからないボトルです。
海外のウイスキークラブのために限定製造されたものではないかとされていますが、あまりにも高額な落札価格とともに謎が深まります。
2位:サントリー山崎55年 8,315万1,000円
落札日:2021年2月
香港のオークションで8,500万円の値が付いたのは2020年の8月でしたが、それからしばらくたった日本でも、同じくらいの価格で落札されているとは驚きです。
サントリー山崎55年については「山崎55年の定価や市場価格、世界の高額なウイスキーベスト10を紹介」で詳しく触れていますので、ぜひご覧ください。
3位:サントリー山崎1984年・シェリー樽貯蔵ウイスキー 2,111万4,111円
落札日:2023年5月
非売品のウイスキーで、ネックのメダルから2009年に贈られたことがわかります。
熟成年数など詳細はわからないものの、62%という高いアルコール濃度から、加水はおこなわれていないと推測できます。
4位:宝酒造白河1958 1,079万7,554円
落札日:2024年2月
2023年5月に420万円(税別)で発売されたシングルモルトウイスキーで、2023年に閉鎖された宝酒造の白河工場で1958年に蒸留されたものです。
宝酒造といえば、軽井沢1960年が5,600万円で落札されましたが、閉鎖蒸留所の原酒は二度と造られることがないため、高値が付く傾向にあるようです。
5位:サントリー白州 FIRST CLASS for 萌木の村 910万1,000円
落札日:2024年5月
山梨県北杜市清里高原にある、複合観光施設・萌木の村の理念に賛同したサントリーが、2024年に200本限定で製造したシングルモルトです。
46年の熟成期間を経たものなど、5種類の原酒で構成されました。
名称は「一流であれ(FIRST CLASS)」と唱えた、萌木の村の創業者・ポール・ラッシュ氏に由来しています。
6位:サントリー・サン・アド創業50周年記念 890万1,000円
落札日:2022年4月
サン・アドはサントリーが寿屋と称したころ、宣伝部に所属していた開高健氏や柳原良平氏らが立ち上げた広告制作・クリエイティブ集団です。
ブレンデッドウイスキーであり、近年のトレンドは外れているものの高額落札されています。
7位:サントリー・ ザ・センチュリー40年 890万1,000円
落札日:2021年8月
サントリーが2000年に、300本限定で販売したシングルモルトウイスキーです。
山崎蒸留所でミズナラ樽熟成されたモルト原酒から構成されており、定価は50万円でした。
ウイスキー人気が下火だったことに発売されており、販売に苦戦したといいますが、現在では驚きの価格で取引されています。
8位:イチローズモルト・カード・ナイン・オブ・ハーツ 800万1,000円
落札日:2018年10月
全58種がまとめてオークションに出品され、1億円以上で落札されたイチローズモルトのカードシリーズのうちの1本です。
熟成期間6年と短いボトルですが、210本という製造本数の少なさと、高い話題性から800万円を超える金額で落札されました。
9位:サントリー・山崎35年 720万5,000円
落札日:2023年5月
2006年に限定200本、定価50万円で販売されたボトルです。
7位のボトル同様、ジャパニーズウイスキーの人気がそれほどでもない時期に発売されましたが、その後、凄まじい勢いで価格が高騰しました。
10位:サントリー・響35年・耀彩瓶 碧陽 700万1,000円
落札日:2021年6月
全5種類が存在する、焼き物と響35年のコラボレーションボトルで、最も人気が高いものです。
2007年に限定150本、定価100万円で販売されており、ボトルは九谷焼の人間国宝、徳田八十吉氏が手掛けています。
まとめ
サントリー山崎50年など高額なウイスキーを紹介してきましたが、手放す際の注意はタイミング次第で買取価格が大きく上下することです。
高額なウイスキーは求めている方が少ないだけに、手放すタイミングで誰も手を挙げなければ、残念な価格にしかなりません。
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あわせて、高額なボトルの買取では、慎重にならざるをえません。
通常の査定よりも時間がかかってしまうことを、ご了承ください。



