
投稿日:2025.06.18
サントリーのシングルモルト白州は、定価での入手が難しい銘柄です。
本稿では白州の人気の理由や、2025年現在の定価や実際の販売価格を解説しています。
定価と販売価格の比較でボトルごとの人気や入手しにくさがわかりますし、定価を上回っても入手したい方の参考になるでしょう。
また、時間がかかるという条件は付きますが、定価での購入方法も掲載しています。
シングルモルト白州とは

シングルモルト白州とはサントリーが製造するウイスキーの人気銘柄ですが、改めて見ると、並んでいるよくわからない単語が並んでいます。
ここでは銘柄を「シングル」「モルト」「白州」に分解し、それぞれの意味を深掘りします。
白州が定価で購入できないほど、人気が高い理由も見えてくるでしょう。
シングルとは
シングルモルトの「シングル」とは、ひとつの蒸留所で造られた原酒だけで構成されたているという意味です。
サントリーのほかの銘柄では、山崎と知多にシングルが付いています。
サントリー響にシングルが付かないのは、所有する3つの蒸留所の原酒で構成されているからです。
【原酒とは】
原酒とは樽から出した、そのままの状態のウイスキーのことです。
サントリーにはおよそ120万樽ものウイスキーが熟成・保管されているというので、極端に表すなら約120万種類の原酒があることになります。
原酒がそのまま出荷されることは珍しく、市販されているウイスキーのほとんどが何種類かの原酒を合わせて、銘柄やボトルにふさわしい香味に整えられています。
モルトとは
シングルモルトの「モルト」とは発芽させた大麦のことで、ウイスキーの原料を表しています。
モルト以外の穀物はグレーンと総称されるのが一般的で、サントリー知多はグレーンを原料にしたウイスキーの銘柄のひとつです。
モルトウイスキーは、グレーンウイスキーより香味が力強いとされており、近年もてはやされています。
多くのモルトウイスキーが昔ながらの製法で造られていることも、人気の理由のひとつかもしれません。
【シングルモルトとは】
シングルモルトとは、ひとつの蒸留所で造られたモルト原酒だけで構成されているウイスキーのことで、近年のウイスキーブームのけん引役となっています。
その理由はモルトウイスキーの力強さに蒸留所の個性が加わり、ウイスキーの面白さが増すから。
蒸留所の製法や立地、熟成方法により、独特の香味になり、自分好みの銘柄を探すなどの楽しみが増していくからです。
白州や山崎、余市、イチローズモルト、マッカラン、ラフロイグ、ボウモアなどは、人気のウイスキーの銘柄ですが、これらはすべてシングルモルトです。
【ピュアモルトとは】
ピュアモルトとは、現在では複数の蒸留所で造られた原酒で構成されているモルトウイスキーを指しています。
ピュアモルトの代表的な銘柄はニッカウヰスキー竹鶴で、余市蒸留所と宮城峡蒸留所で造られたモルトから構成されたものです。
しかし1990年ごろまで、シングルモルトとピュアモルトは明確に区別されていませんでした。
白州でも古いボトルの一部に、シングルモルトではなくピュアモルト表記のものが存在しています。
白州とは
白州はサントリーが設立した、ふたつ目の蒸留所の名前に由来しています。
白州蒸留所は、先にオープンしていた山崎蒸留所とは個性の異なるモルト原酒を製造するために、1973年に山梨県北杜市に造られました。
森の中に立地する、海抜が高く気候が冷涼、採れる水の硬度が低いなど、山崎とは異なる環境にあり、蒸留器や熟成に用いる樽なども山崎とは異なるものを使用しています。
その結果、白州は山崎と異なる個性を持ち、サントリーを代表するシングルモルトウイスキーの銘柄になりました。
12年とは
白州12年は1994年に発売された、シリーズ最初の銘柄です。
12年とは構成する原酒の熟成年数で、最短のものでも12年間の熟成を経ていることを表しています。
12年より18年と熟成年数が長いものほど高額になり、白州のシリーズとして2025年現在ラインナップされているものでは、25年が最長になります。
シングルモルト白州の定価と販売価格

シングルモルト白州が店頭に並ぶ機会は少なく、すぐに入手するならウェブショップで販売されているものを購入するしかありません。
ところが、ウェブショップの中には、あまりにも高い値段で販売しているところも見つかります。
ここからは、シングルモルト白州の現行ラインナップの定価と、販売価格を見ていきましょう。
販売価格は2025年現在の価格ドットコムを参考にしていますが、これより大きく離れた値段で販売されているものは、敬遠した方がよいかもしれません。
【現行品】シングルモルト白州の定価
| ボトル名 | 販売期間 | 定価(税抜) | 販売価格 |
| 白州NV | 2012年~ | 7,000円 | 1万円程度〜 |
| 白州12年 | 1994年〜2018年、2021年〜 | 1万5,000円 | 2万円程度〜 |
| 白州18年 | 2006年〜 | 5万5,000円 | 8万円程度〜 |
| 白州25年 | 2008年〜 | 36万円 | 65万円程度〜 |
【白州NV】
白州NVは熟成年数の表記がないボトルの通称で、ノン・ヴィンテージを略したものです。
同様の通称にNA(ノン・エイジ)があり、熟成年数を表記するまでもないほど、若い原酒が使われていることを意味します。
白州NVが登場した2012年はジャパニーズウイスキーの人気が高まっており、熟成した原酒の不足が噂されていました。
とはいえ、NVが熟成年数が表記されたボトルより劣るかというと、決してそうではありません。
ハイボールで気軽に楽しむなら白州NVという声もあるので、ボトルは予算と目的に応じて選ぶのがよいでしょう。
詳しくは後に述べますが、白州NVは原稿のラインナップでは、比較的入手しやすいボトルであり、そのことが定価と販売価格の小さな差に表れています。
【白州12年】
白州12年は1994年から続く、シリーズ最古のボトルです。
原酒の不足から2018年にいったん終売になりましたが、2021年に復活しています。
白州12年も入手がそれほど難しくないボトルであり、定価と販売価格の差は小さなものですが、中には定価の倍以上で販売されているものも見つかるでしょう。
その多くは、ごく初期に製造されたボトルであり「SINGLE MALT」ではなく「PURE MALT」と表記されていることや、700mlではなく750ml入りなのが特徴です。
現行の白州12年と1990年代のものを飲み比べたい、コレクションに初期の白州12年を加えたいといった目的以外には、向かないボトルかもしれません。
【白州18年】
白州18年は2006年から販売されているボトルです。
2016年に開催された国際的な酒類のコンクール・ISCで金賞を獲得して評価が高まったこともあり、入手が難しいボトルとなっています。
また、2024年に定価が3万2,000円から5万5,000円へと引き上げられ、販売価格も上昇しました。
白州18年には12年と同様に「PURE MALT」表記の古いボトルがあり、現行のものよりも高い値段で販売されています。
【白州25年】
白州25年は2008年から販売されている、シリーズ最高価格のボトルです。
年間1,000本程度しか製造されておらず、入手の難しさも最高レベルで、定価と販売価格の差も大きくなっています。
2024年に定価が16万円から36万円に引き上げられたのも、大きな話題になりました。
年間の製造本数が少ないのは、構成する原酒の少なさと製造にかかる手間によります。
白州25年に使われるのは、25年以上という長期間の熟成に耐えた原酒のみ。
長期間の熟成により香味がピークに達したと判断されたものしか、白州25年には使われていません。
また、原酒を組み合わせた後の熟成にも、異例とされる1年間もかけています。
【終売品】シングルモルト白州の定価
| ボトル名 | 販売期間 | 定価(税抜) | 販売価格 |
| 白州10年 | 1996年〜2013年 | 3,200円 | 2万円程度〜 |
【白州10年】
白州10年は、NVと入れ替わるように終売になったボトルです。
白州12年より若い原酒で構成されているのに販売価格が同等なのは、製造されていないというレア感によるもの。
白州10年をどうしても試してみたいという方以外は、NVや12年を選ぶのがよさそうです。
白州10年にも12年と同様に、ごく初期に製造された「PURE MALT」表記のボトルが存在し、終売ごろのボトルよりも高値で販売されています。
シングルモルト白州を定価で購入する方法

シングルモルト白州は人気の銘柄なので、すぐに入手するならウェブショップで定価より高い値段を支払わねばなりません。
しかし、時間をかければ定価で購入できないわけでもないのです。
中でもNVや12年は、比較的入手しやすいといえます。
抽選販売を利用する
イオングループなどの量販店、やまやなどの専門店そして百貨店では、シングルモルト白州の抽選販売をおこなっています。
たとえばイオンならカード会員になることで、抽選販売の機会が告知されるので、店舗を選んで参加してください。
また、サントリーでも白州の限定ボトルの抽選販売をおこなっており、2025年はストーリー・オブ・ディスティラリ―の購入希望者をWeb限定で募集していました。
募集の告知はHPやメールマガジンでおこなわれたので、興味のある方はチェックしてみましょう。
店頭販売を見つける
白州が店頭で定価販売されていたとの投稿を、SNSなどで見かけるようになりました。
販売されていたというショップは、大型の店舗ではない街の酒屋さんというたたずまいという点で共通しています。
そのようなショップの常連になると、シングルモルト白州の貴重なボトルの取り置きや取り寄せも可能になるかもしれません。
ふるさと納税を利用する
山梨県にふるさと納税すると、額に応じてシングルモルト白州がもらえます。
抽選販売の機会が少ない、18年や25年も返礼品として用意されていますが、寄付金額はそれぞれ60万円と400万円となっており簡単には利用できそうもありません。
一方で白州NVの寄付額は8万円なので、こちらはまだ利用しやすいでしょう。
シングルモルト白州を定価で購入できない理由

今すぐ欲しいというケースに、定価では購入できないのがシングルモルト白州ですが、ここからはその理由を考えていきましょう。
簡単には増産できないから
シングルモルト白州に限らず、ウイスキーは売れているからといって、すぐに増産できません。
サントリーなどが加盟する、日本洋酒酒造組合が定めたところでは、ジャパニーズウイスキーを名乗るには、木製の樽を用いて日本国内で3年以上熟成させる必要があるそう。増産の結果が出るまでに、最低3年は待たねばならないのです。
ウイスキーが持つ工芸品のような側面も、増産できない理由です。各蒸留所やブレンダーが持つノウハウは共有が難しいとされており、ほかの工場で白州を製造してもらうこともできそうにありません。
ジャパニーズウイスキーブームだから
定価で入手できないのは、シングルモルト白州だけではありません。サントリーなら山崎や響、ニッカウヰスキーなら余市や宮城峡、竹鶴など、日本のメーカーが製造するウイスキーは、軒並み入手しづらくなっています。
これは、IWSCやISC、SWSCなど、国際的な酒類のコンクールで、ジャパニーズウイスキーが高く評価されていることが原因です。世界的な需要増に、日本のウイスキーメーカーが対応しきれていないのです。
酒類のコンクールでの高評価は各メーカーの努力の結果とはいえ、ファンにとって単純には喜べない事態になっています。
定価以上でも売れるから
サントリーが白州を含む、20ものボトルを値上げしたのは、2024年4月のことでした。
白州NVは4,500円から7,000円でしたが、白州25年に至っては16万円から36万円に値上げされています。
しかし値上げ後も、シングルモルト白州が店頭に並ぶことはありませんし、ウェブショップでは値上げ後の定価より、さらに高い価格での販売が続いています。
これは値上げ前はもちろん、値上げ後の定価よりも高い値段でも、白州が売れ続けていることを示しています。
定価で入手できるようになるのは、さらなる値上げの後かもしれません。
投資・投機が過熱しているから
人気の銘柄を購入しておくと高く売れるかもしれないという、投資・投機目的での購入も、シングルモルト白州が定価で購入できない理由です。
投資・投機目的での購入が実需を圧迫し、飲みたい楽しみたいという方の入手が難しくなっているのです。
まとめ
サントリーのシングルモルト白州は、定価での入手が難しい銘柄です。
定価に上乗せすればすぐに入手できますが、どうしても定価で入手したいなら、大手ショップの抽選販売などを利用するのがよいでしょう。
白州の定価での入手が難しいのは、シングルモルトやジャパニーズウイスキー人気の過熱が原因です。
時間が経てば人気も落ち着き、白州を定価で入手できる日もやってくるかもしれません。



