投稿日:2025.06.06

サントリーが製造・販売する山崎シリーズの中でも、もっとも熟成年数が長い「山崎25年」。
通常のラインナップには含まれているものの、生産数が限られる希少なボトルのひとつです。
数々の賞を獲得し、世界的にも高い評価を得ている山崎25年ですが、現在の市場ではどのような価値になっているのでしょうか。
今回は「山崎25年」について解説していきます。
味わいやその魅力、現在の市場価格はもちろん、購入方法、少量試す方法までご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
「山崎25年」とは?

価格や購入方法について見ていく前に、まずは山崎25年の基本情報を確認していきましょう。
「山崎25年」は、サントリー株式会社が製造・販売する、シングルモルトウイスキー山崎シリーズの一種です。
同社が保有する日本でもっとも古いモルト蒸留所・山崎蒸留所で製造されています。
伝統のミズナラ樽をはじめ、アメリカンオーク樽、スパニッシュオーク樽など、多彩な樽で25年もの長い期間熟成された希少な原酒を厳選しブレンドしています。
年間販売数1,000本前後と、生産数が限られるため、酒屋やスーパーなどの実店舗ではなかなかお目にかかれない大変貴重なボトルです。
| 山崎25年の基本情報 | |
|---|---|
| 定価 | 36万円(税抜き) |
| 容量 | 700ml |
| 原材料 | モルト |
| アルコール度数 | 43% |
| 純アルコール量 | 100mlあたり:34.4g30mlあたり:10.3g |
参照:サントリー|山崎25年商品ページ
※定価は2025年6月現在
ミズナラ由来の伽羅を思わせる上品な香木の香りと、アメリカンオークやスパニッシュオークから得られるオレンジマーマレードと甘酸っぱい熟した果実の香り。
一口含めば蜂蜜のようなコクのある甘みの中に、微かな薫香とほろ苦さ、そして伸びやかでオリエンタルな深い余韻が重なります。
43%と高いアルコール度数ではありますが、長い期間熟成されたことで角が取れ、非常にまろやかな口当たりとなっています。
山崎25年が生まれた背景
山崎25年の歴史は、創業者である鳥井信治郎が1923年に開設した山崎蒸留所から始まります。
鳥井氏が最初に世に出した「白札」は、ピート香の強さゆえに当時の日本人には到底受け入れられるものではありませんでした。
しかしそこから試行錯誤を重ね、「サントリーウヰスキー12年(後の角瓶)」を生み出し、徐々に世の中に受け入れられるようになっていきます。
その後、”日本を代表するシングルモルトウイスキーを”と1984年に作り出されたのが、この山崎シリーズです。
山崎25年は、1998年サントリー創業100周年を記念し販売されたのが始まりですが、現在は1,000本前後に限り毎年販売されるまでになりました。
25年の長期熟成による、その深い味わいは世界的にも高い評価を得ています。
山崎25年の受賞歴
山崎25年は、世界的なコンペティションでも素晴らしい賞を獲得しています。
| 山崎25年 受賞歴一覧 | |
|---|---|
| 2012年 | WWA(※1)ワールド ベスト シングルモルトウイスキー受賞※シングルモルトウイスキー部門でもっとも高い評価を受けたウイスキーに贈られる賞 |
| 2015年 | SWSC(※2)最優秀金賞受賞※審査員の満場一致で金賞に値すると評価された製品に与えられる賞 |
| 2022年 | ISC(※3)金賞受賞 |
| 2023年 | ISC シュプリーム・チャンピオン・スピリッツ受賞※エントリーされた全製品の頂点に選ばれる賞 |
| 2024年 | ISC 金賞受賞 |
参考:サントリー|主なコンペティション受賞歴
(※1)WWA…イギリスのウイスキー専門雑誌「ウイスキーマガジン」が開催する、世界的なウイスキー品評会。
(※2)SWSC…2000年にアメリカで創設された、世界最大級の蒸留酒品評会。
(※3)ISC…イギリスの酒類専門出版社「ドリンクス・インターナショナル」が主催する、世界的に権威のある酒類品評会。
山崎25年はワールド ベスト シングルモルトウイスキーや最優秀金賞、シュプリーム・チャンピオン・スピリッツといったとくに高い評価となる賞をいくつも獲得しています。
この受賞をきっかけに需要が増加し、価格高騰へとつながったと言えるでしょう。
山崎25年の現在の市場価格

基本情報の次は、山崎25年の現在の市場価格について見ていきましょう。
過去2年〜現在までの価格推移は以下のとおりです。
| 山崎25年(700ml)の価格推移 | |
|---|---|
| 2023年6月 | 109万9,890円 |
| 2023年8月 | 109万9,980円 |
| 2023年10月 | 159万4,989円 |
| 2023年12月 | 197万9,989円 |
| 2024年2月 | 153万4,994円 |
| 2024年4月 | 149万6,000円 |
| 2024年6月 | 145万2,000円 |
| 2024年8月 | 145万2,000円 |
| 2024年10月 | 129万8,000円 |
| 2024年12月 | 130万8,450円 |
| 2025年2月 | 113万8,494円 |
| 2025年4月 | 108万8,989円 |
| 2025年6月 | 109万9,989円 |
参考:価格ドットコム
※価格はすべて税込み
2023年の価格高騰を思えば、現在は110万円程度と落ち着いているようにも見えますが、定価36万円から見れば3倍近い価格での取り引きということになります。
通常ラインナップとは言え、年間を通して販売される数にも限りがありますので、現状定価で購入するのはまず難しいでしょう。
山崎25年 旧ボトルの価格は?
山崎25年には旧ボトルもいくつか存在します。
以下は、旧ボトルから現行品までのボトルの変化を表したものです。
| 山崎25年 ボトルデザインの推移とその特徴 | |
|---|---|
| 山崎25年 ベロア 年号入り 金花 | ・ラベルの左側に金花マークがあり、山崎25年の中でも年代が古いボトル ・ベロア生地の箱に入れられており、1998〜2005年表記まで販売 ・ラベルには「PURE MALT」、手書きの通し番号が記されている |
| 山崎25年 ベロア | ・金花マーク、年号表記がなくなったもの ・通し番号あり |
| 山崎25年 紙箱 | ・山崎25年旧ボトルの中で生産本数がもっとも多いボトル ・この商品から紙箱を採用 ・2021年6月末まで販売され、シェリー樽を使用した長期熟成原酒最後の商品 ・通し番号あり |
| 山崎25年 リミテッドエディション | ・免税店限定のボトル ・長期熟成シェリー樽を使用した商品で、通常の紙箱とは異なり元箱が木箱となっている ・ボトルに水引があしらわれている ・通し番号なし(生産本数不明) |
| 山崎25年 ミズナラ布箱 | ・2017年7月より販売された現行品 ・シェリー樽ではなく、ミズナラ樽、アメリカンオーク樽、スパニッシュ樽熟成へ変更 ・通し番号なし |
ラベルや外箱、キャップなどの違いはもちろんですが、やはりシェリー樽熟成の原酒から、現行品のミズナラ樽、アメリカンオーク樽、スパニッシュ樽熟成へと変更されたことによって味わいが大きく変化しているのも特徴のひとつです。
なお、旧ボトルの中でも「PURE MALT」表記や、これまで何本販売したかわかるよう記載された手書きの通し番号の若いものがとくに価値が高いとされます。
楽天市場やAmazonで調査したところ、出品数も限られており、150万〜200万円を超える高額での販売が目立つ結果となりました。
現行品であってもかなりの高額なので、旧ボトルともなればますます手に入れるのが難しいでしょう。
山崎25年の価格高騰の理由

定価36万円から3倍近くの価格となっている山崎25年ですが、なぜこんなにも価格が高騰してしまっているのでしょうか。
2000年代からの空前のジャパニーズウイスキーブーム
山崎25年の価格高騰の大きな原因は、2000年代以降の世界的なジャパニーズウイスキーブームです。
これまでスコッチウイスキーやアメリカンウイスキーなどと比べ、ジャパニーズウイスキーの評価はあまり高くありませんでした。
しかし、2003年、山崎12年がISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)において日本で初めての金賞を受賞したのをきっかけに、これまでの評価が覆ることとなります。
そこから品がありバランスの取れた味わいが世界的に評価され始め、山崎シリーズを筆頭に、ジャパニーズウイスキーの人気に火がついていきました。
その後、国内でも20〜30代を中心としたハイボールブームが訪れ、これまでお酒に飲み慣れた上級者、年齢層が上の方向けというイメージのあったウイスキーが、ライトな層にも浸透していきます。
そして2014年から放送が開始した、ウイスキー作りに生涯を捧げた夫婦の絆を描いた朝ドラ「マッサン」のヒットもその人気を後押しする結果に。
山崎シリーズの中でも生産数が限られる山崎25年は、そのプレミア感も相まってより注目される存在へとなっていきました。
原酒不足によって生産数が限られる
2000年代から一気に注目を浴びるジャパニーズウイスキーですが、生産が追いついておらず、現状山崎シリーズを含むさまざまな銘柄が品薄状態となっています。
通常、需要の高まりとともに生産量を増やすことが可能なら何も問題ありませんよね。
しかし、ウイスキー製造においてはそうもいきません。
ウイスキーは原酒を熟成するのに最短でも数年、山崎25年のように長いものでは数十年かかるため、人気が出たからといってすぐに生産量を増やせないのです。
日本国内では、1990年代にウイスキーの人気が低迷し、ウイスキーの生産量を抑えていた時期がありますので、そのしわ寄せが現在来てしまっていると考えられます。
山崎25年は、そもそも生産数が限られるボトルということもあり、中には200万円超えの価格で取り引きされているものもあります。
現状、ジャパニーズウイスキーはどの銘柄も価格高騰している状況ですが、とくに山崎シリーズは価格の上がり幅が大きくなっている印象です。
投資やコレクションなど購入目的が多様化している
山崎25年に限ったことではありませんが、現在価格高騰が見られるウイスキーは、愛好家だけでなく、投資対象・転売といったさまざまな目的で購入されています。
また、ウイスキーは賞味期限がなく長期保存が可能なため、コレクション目的で購入される方も少なくありません。
目的が多様化し買い手が増加したことも、山崎25年が価格高騰した原因のひとつと言えるでしょう。
山崎25年を定価で購入するには?

山崎25年は、現状定価での購入が難しいとお伝えしましたが、運が良ければ定価で購入できる可能性もあります。
残念ながら必ず手に入る保証はありませんが、どうしても定価で手に入れたい!という場合にはぜひお試しください。
抽選販売を利用する
なかなか定価での購入が難しい山崎25年ですが、規模の大きい酒店や百貨店などが不定期で行う「抽選販売」なら定価で購入することが可能です。
抽選販売に参加するには多くの場合会員登録が必要となりますが、あらかじめ登録しておけばどなたでも利用できます。
ただし、開催日は未定なため、常に情報収集する必要があるでしょう。
また、山崎25年は非常に人気が高いボトルですので、倍率もそのぶん高くなることが予想されます。
参加したからといって当たるとは限らないため、根気良く挑戦し続けられる方におすすめの方法です。
福袋、ウイスキーくじを購入する
ウイスキー好きの方向けの方法にはなりますが、山崎25年は「ウイスキー福袋」「ウイスキーくじ」などでも購入できます。
これらは酒店をはじめ、楽天市場やAmazonといったECサイトでも定期的に開催されており、一定の価格を支払って購入するだけで利用可能です。
価格は利用する店舗によって異なりますが、運が良ければ定価よりもずっとお得に山崎25年を入手できる大きなチャンスです。
ただし、山崎25年のような希少なボトルの場合は、一度の開催で1本のみ当たる…というケースが多いため、当てるのは少々難しいかもしれません。
とは言え、仮に山崎25年が当たらなくとも景品はランダムとなっていますので、新たなボトルとの出会いと考えれば、当たり外れ関係なく十分楽しめます。
”当たったらラッキー!”ぐらいで気楽に楽しめる方におすすめです。
山崎25年を少量試す方法

現在、山崎25年は100万円を超すプレミア価格となっていますので、ボトルでの購入はなかなか難しいですよね。
ここでは、山崎25年を試す方法をお伝えいたします。
購入はできないけれどどんな味わいか知りたいという方は、ぜひお試しくださいね。
山崎蒸留所に見学へ行く
山崎25年をはじめとした山崎シリーズは、製造元である山崎蒸留所を見学した際に試飲が可能です。
同蒸留所では山崎25年以外にもなかなかお目にかかれない貴重なウイスキーを試飲できますので、山崎25年をボトルで購入するよりもずっとお得に試せます。
あくまでも見学メインとはなりますが、山崎の歴史に触れながら飲む山崎25年はまた違った味わいが楽しめるのではないでしょうか。
なお、見学するには予約(応募が集中した場合は抽選)が必要となりますので、余裕を持って予約しておきましょう。
ホテルやバーなど、取り扱いのある店舗を利用する
山崎25年は、格式あるホテルや高級ウイスキーを取り扱うバーなどで注文できる場合もあります。
2020年にはクロスホテル京都で、5室限定4泊5日88万8,888円という宿泊プランが利用できたそうです。
客室には貴重な山崎25年が備えられており、ウイスキーに合う前菜まで楽しめるというもので、当時はメディアにも取り上げられ話題になっていました。
最近ですと、2025年6月1日より東京ドームホテルのバーで開業25周年を記念して、山崎25年・白州25年など、25年熟成の国産ウイスキーが破格で味わえる「ジャパニーズウイスキーフェア」が開催されています。
山崎25年は高級品なため取り扱いのある店舗は限られますが、こうした催しを利用してみるというのもひとつの手段でしょう。
まとめ

今回は、山崎25年について解説いたしました。
山崎25年は、ミズナラ樽、アメリカンオーク樽、スパニッシュオーク樽など、25年以上もの長い期間熟成された希少な原酒を厳選しブレンドしたシングルモルトウイスキーです。
気品ある香木の香りとオレンジマーマレードのようなほろ苦さ、そして甘酸っぱく熟された果実。
甘くまろやかな余韻は25年という長期熟成ならではの味わいと言えるでしょう。
通常ラインナップとは言え生産数が限られるため、価値が非常に高い人気のボトルです。
現状定価での購入は難しい状況となっていますが、記事の中では少量試す方法にも触れておりますので、興味のある方は参考にしてみてくださいね。
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